北京
2004年9月末から10月にかけて北京を訪れた。10月1日は国慶節であり、特に今年は建国55周年記念行事が行われ、かつ驚異的な経済発展とオリンピックを控えた空前の建設ブームでもあり、まさに眠れる獅子が目覚めたように見えた。
一瞬、”これ本当に北京なの?”と思ってしまった。
私が初めて北京を訪れたのは文化大革命直後の1978年。それ以来今回で5度目の訪問であるが、来るたびに全く違う国に来ている感じがする。前回は丁度4年前だったが、この4年間の大発展は凄いの一言だ。高い鼓楼に登って周囲を眺めたら4方高層ビルばかりで、また建設中のクレーンが林立している。日本のバブルを経験した者にとっては不安が先行する。
そんな中でも一ヶ所だけ古い生活環境を残し、整備し直していずれ世界遺産登録を目指している元時代の胡同(フートン:路地裏)がある。浅田次郎の「蒼穹の昴」を読んで以来胡同を散歩してみたいと思っていたが、なんとなく薄気味悪く感じて行けなかった。今回現地に胡同を周るガイド付のツアーがあるというので勇んで参加した。
幸い世界遺産に登録されるような歴史的遺産の多くは残されているが、本当の文化を残す庶民の生活環境は無残に破壊されている。文化大革命であの巨大な北京の城郭を全部破壊し尽したお国柄だから、そんなことは何とも思っていないのかも。
今はともかくオリンピック最優先、国家の威信をかけた事業だから庶民のことなどかまっていられないのだろう。