ポルトガル

2009年11月ポルトガルを訪問した。なぜポルトガルなのか。その理由には三つある。
第一、今年の7月にケープタウンを訪れたとき、大航海時代に想いを馳せ、その先駆けとなった国はどんな国だったのか知りたい。
第二、日本に鉄砲をはじめいろいろな西欧文化を伝えて、日本の歴史に大きな影響を与えた国とはどんな国なのか知りたい。
第三にヨーロッパの片隅の小国が中世のある時突然j世界史に華やかに登場し、そしてまた今静かにヨーロッパの片隅に潜んでいる国とはどんな国なのか知りたい。・・とまあこんな好奇心である。

国中に高速道路が張り巡らされ、しかもその殆どが「片側3車線乃至4車線で最高時速は120Kmだ。その上空いていて前後に殆ど車が見えず渋滞は全くない。

高速道路の車窓から見えるのは森林と田園風景と僅かの住宅ばかりで工場というものが全く見えない。ごく稀に焼き物工房が見える程度だ。
森林は殆どが松、ユーカリとオリーブの木だ。ということは殆どが人工林である。特にユーカリとオリーブは整然と並んでいる。森林は1970年代以前の独裁政権時代に大量に生じた政治犯に強制して植林させたそうで、今では地球温暖化対策に貢献している。
温暖化対策と言えば国土の至る所に風力発電設備があり、丁度始まったクリスマスイルミネーションも全てLEDに統一されよく配慮されているように思えた。

国民の失業率は8%にも及び、国民一人当たりのGDPはEUの中でも最下位に近く、統計データを見る限り辺境の貧しい国のように思っていた。ところが聞くと見るでは大違い、実に豊かな国のように見える。国土は日本の四分の一、人口は十分の一、高速道路をはじめインフラは日本より遥かに優れている。国民の生活は落ち着いて貧しさが感じられない。中国のように超金持ちもいないが、貧乏人もいないようだ。やはり歴史と安定が感じられた。この国は凄い。その原因は何なのか、筆者の見るところでは漁業、農業、畜産といった第一次産業の従事者が多く、それぞれ誇りを持って国を支えているように思う。逆に言うと工業、特に重工業が全くと言っていいほど見られない。人間が人間らしく生きているということではないのだろうか。工業がなければ当然経済統計としては低くなるが、それでも国民は困っていないのだ。